ハロプロ雑記

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理屈っぽい物語大好きヲタによる演劇女子部「MODE」の正直な感想

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演劇女子部 MODE 千穐楽が終わりました。僕は初日初回参戦。と言うことで、一週間溜めきった感想を、正直に書きます。ネタバレありますし、楽しめた方にとっては不愉快な内容だと思うので、基本そっ閉じ推奨です。ざっくりいうと、本人たちはとっても可愛かった。笑えたし楽しかった。ただ脚本が… という感じです。そして僕は、グッドストーリーが大好きなのです。「差別と戦う女性を描いた歴史物のコメディミュージカル」と言われたら、ヘアスプレー *1 連想しちゃうんです。最高じゃんあれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ということで。まず感想を一言でいうと。

 

 

 

 

 

 

 

ヌル過ぎんだろ!太田善也!!!

 

敬称略。太田さんは脚本、監督の方。なんたって、戦う女性の陳腐化、新しい価値観を作るという挑戦の矮小化がひどすぎる。ヌルい。なんだよ広告のないファッション雑誌って!そんな偉業が簡単にできたら誰も苦労せんわ!暮らしの手帖のビジネスモデルは息の長い情報でバックナンバーが売れるロングテールな紙面と物販の両輪で、刹那の切り取りとエッジーな表現がアイデンティティのファッション誌には全然馴染まないだろ!もっとK.U.F.Uしろ!勝算ある戦略を探せ!それから実際の日本初の女性ファッション誌an anは、初期からセックス特集、ドラッグ特集を展開し、「男ぶっ殺し協会」なるフェミ団体の標語を和訳掲載するクレイジーっぷり *2 だったそうじゃねぇか!70年代舐めんな!出版舐めんな!!ふーっ。ふーっ。

 

… 取り乱しました。

 

引っかかった点はまだまだあります。生意気だからと邪魔をして、バカだから自滅する敵役。雑魚すぎ。ダブルキャストの一人。バレそうだから辞めて、追及されたから話して、理解を得られたから戻ってくるって。だったら「夢が見たい!お金持ちの婚約者も許してくれたし!」って書けよ。もう一人の主役。途中唐突に心折れちゃってるじゃん。あれ完全に構成上の都合じゃん。てかお話通して成長描いてないじゃん。日常系かよ。主人公のライバル。年上なら良いんか。これも構成上の都合。和解のための和解。モデルズ。「守ってくれた」て。結局条件の良い上司についてこうって話か。金持ち。好きだから、気持ちが変わるのは分かる。でも「僕たちの問題」で済むんか。親との戦いいるだろ。エマ *3 読め。主人公の母。気絶で済むんか。あとは。読者の共感て。読モかよ。そりゃ鞘師もry アイドルってそう言うものって事か。あ、モデルでしたね。誤魔化されるか!ご都合主義満載。これ全部盛り込めって話じゃない。けどこれ全部できてないのはアウト。手抜きとしか思えない。

何でこうなっちまったんだろう。ヲタが舐められてるのかな。それとも太田善也って人が無能なのかな。と思い調べてみたら、太田さん「気絶するほど愛してる!」の脚本書いてるんですんね。まじか…あれめっっっちゃ良かった。なのになぜ。なぜアンジュにはこれだったんだよ…まなかんか!まなかんショックか!…そうか…うん…お前も辛かったんだな…飲めよ…

 

でもさぁ…

 

僕はそもそも、演劇女子部にかける期待が大きいです。僕が(ほぼDVDですが)見たのは、MODE、続・11人いる!、気絶するほど愛してる!、トライアングル、リリウム、スマイルファンタジー、ウィークエンドサバイバー、サンクユーベリーベリー(つばきver)、我らジャンヌですが、このうち、リリウム、スマファン、ジャンヌ、気絶の4作品は、ほんと素晴らしいと思いました。どれもステージとしてのエネルギーに満ちていて、物語として面白いだけではなく、「アイドルとは、アイドルを応援するとはどう言うことか」みたいな俯瞰の視点を持ち、ともすれば揶揄されがちな「アイドル舞台」にとってのある種の答えを出しているようにさえ感じました。

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こういう俯瞰の視点は、ハロプロにはなかなか期待しづらいです。基本何でも内製出来ちゃう巨大なアイドルファクトリーだから、グッズもMVも楽曲も衣装も、予想外なものがなかなか出て来ない。その良し悪しはひとまず置いとくとして、そんなハロにとって数少ない「外の視点を感じる作品」が、僕は演劇女子部では見れるんじゃないかと思っています。普段ヲタとハロプロ関係者からの視線にのみ晒されているメンバーたちが、それ以外の大人の手で、新しい表現に挑む、希少な機会。

 

そんな期待を胸に、僕がMODEで見たかったものは。

 

  • 古い価値観を打ち破り、常識と戦うとはどう言うことなのか?どう言う価値があるのか?どんな敵がいて、どういう問題が起きるのか?それに対してどう立ち向かえば良いのか?というシミュレーション。
  • 女性とは消費される性なのか?コントロールされる主体なのか?意志を持ってはいけない存在なのか?という、当時の女性と現在のアイドルを重ね合わせた時に生まれる問いに対して、力強く「そんなことはない!」と断言するロジック。
  • 2016年現在でもまだまだ有効な「ジェンダーに関する問い」にきちんと向き合い、しかもそれをアイドルに表現させると言う、力を持った問題提起。
  • リリウムやスマイルファンタジーにあった、「鳥かごの中のファンタジー、閉じ込められた時空間の中にだけある楽園」という美しくも前時代的なアイドル像から脱却した、意志を持ち組織と向き合い運命を切り開く、21世紀近未来育ちのアンジュルム像。
  • VOGUEの伝説的編集長、アナ・ウィンターを彷彿とさせる凄みを持った闘神、葛城弥生を演じることによる、あやちょの可能性の拡張。

 

こういったものが見られるのではないかと、期待しちゃっていました。僕も昔から「夢見すぎww」って言われるタイプなのです。同じですね弥生さん。しかし見れたのは、ご都合主義な、アンジュメンの魅力に依存したキャラ萌えの物語。なんだろう。「戦いとかどうでも良いんだよ可愛ければ」と言われた気分。それを悪意を持って最大限に拡大解釈すると、「あやちょの、アンジュのいう戦いってこの程度のことだよ」ってメッセージになっちゃうじゃないですか。なんだそれ。

 

誤解があると嫌なのですが、楽しめなかったかと言われたらそんなことはないです。あやちょは勇ましかったしカミコは奇跡だったしリカコはかっこ良かったしあいあいは面白かった。みんなかわいかった。あと公園のシーンはちゃんと笑った。台本に笑わせてもらった。損したとは思ってません。これだけでも、見る価値はあった。でも、それ以上のことがやれただろう…!本人達の素の魅力にここまで依存するのではなく、大人が大人としてできる事があっただろう…!と、どうしても思ってしまいます。

ひょっとして。これは完全に妄想ですが「アンジュルムは全員主役だから、みんな満遍なく見所作って」「大切な時期だから過激な表現は控えて」みたいな事をバカな誰かにネチネチ言われて、当初の企画意図から大きく外れた物語になったんじゃないかなとか。そんで言い訳のように「取材した元女性編集者は喜んでくれた」みたいな事を言ってるんじゃないのとか。気絶ほんと良かったもん。太田さんがヲタをアイドルを物語を舐めてるとは思えない。

僕は多分、演劇女子部の監督さんには、「いとこのお兄ちゃん」みたいな役柄を期待してるんだと思います。年に1、2回会って、親には良い顔しつつ、僕をバイクの後ろに乗せて少しだけ危ない遊びに連れ出してくれるような。リリウム、スマファン、ジャンヌ、気絶はそんな舞台だった。そんな舞台が見たかった。でも見れなかった。与えられたものがどんなものであれ、メンバーは力を尽くし、それを受けたヲタは称賛できる点を探して、お金を使うのです。それが僕たちの信じるハロメンであり、僕たちヲタの唯一できる事で、いっそプライドなのです。だからどうか、これで満足しないでほしい。太田さん。アンドリウさん。事務所の皆さん。どうか、お願いいたします。

 

 

 

 

 

 

正直な感想はこんな感じです。理屈っぽい物語大好きヲタによる自滅とご了承ください。嫌なことばっかり書きすぎたので、戦利品を眺めて気を落ち着けます。 

 

 

 

 

 

 

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あやちょきゃわああああああああああああかななんいろっぽいいいいいいDマガ8たいこうたいこうたいこうカレンダあああああああああばばばばばば

 

 

 

 

以上です。ありがとうございました。

*1:

ヘアスプレー [DVD]

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*2: an・an - Wikipedia 

*3: 

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